何らかの事情で仕事を辞めてしまうことはよくあることだ。出産や育児などが理由で、仕事を続けられなくなってしまう人も多い。一度仕事を辞めて、ブランクを作ってしまうと、再び仕事を始めることに二の足を踏んでしまうという人もいる。とりわけ専門的な知識が要求される仕事であると、復職しても以前と同じように働けるのかと不安に陥ることもあるだろう。
介護職も専門的な知識が必要な仕事であり、復職するのも難しいと思われがちかもしれない。しかし決してそんなことはない。介護が必要な高齢者の食事や排泄の介助をする介護職では、仕事内容としては確かに慣れが必要である。ブランクがあると、忘れてしまっていることも多く、再びなれるのには時間がかかるかもしれない。しかし、介護業界では、そうしたブランクがある人でも積極的に採用しようという動きがあることも事実だ。
というのも、介護の世界では慢性的な人材不足に悩んでいるからだ。離職率が高いというのが介護職にとって長年の悩みの種であった。それは仕事が大変で、家庭や育児との両立が難しいという介護特有の理由があったからだ。しかし、人材不足に陥り、より職員の環境の質を向上させようという動きが最近の介護業界には見られるのである。それは勤務体系の柔軟化だけでなく、職員の質の向上にも一役買っている。すなわち、復職に際して指導を手厚くし、たとえ長い離職期間があったとしても、すんなり復帰できるようなサポート体制が整っているのである。